手から伝わるもの
怪談記事書いたら、
「私もこんな体験ありまっす！」
って、生徒さんたちから
怪談ネタがぞくぞくと
集まってるけど、
それ記事にしたら、
怪談ブログ
になるから、
スンマセン、
もうやめます。
身体を奏でる♪「身体奏法」
の川島さんの記事を読んで
思い出したことがある。
カラダに触れることについて。
昔、医院でマッサージ担当
してた時、たまに高齢者の送迎
のためにハンドル握ってた。
当時90歳を越えてたおばあちゃん
がいて、当然クルマの乗り降りの
際は介助して玄関まで付き添う。
別れ際にいつも、
「おばあちゃんまたね！」
って両肩に手をポンって
置くのが挨拶になってた。
このおばあちゃん、高齢なのに
独り暮らしだった。
ある日、いつものように
肩に手を置いたら、
「あのな、
あんたが肩に手ぇ置いたらな、
なんかがほわ～っと入ってきて
気持ちがええんや」
って言った。
それからそのおばあちゃんと
親しくなって、仕事帰りに
弁当やらお菓子やら持って
家に立ち寄っては、
おばあちゃんが若かった頃の
話なんかをよく聞いた。
たまに帰ってくる横浜在住の
息子さん夫婦とも親しくなって、
引き続きおばあちゃんの
様子を見に来てくれるよう
頼まれたりもした。
おばあちゃんの家の横には
小川がさらさらと流れてて、
庭には大きな桜の樹が生きてた。
転んでケガしたおばあちゃんは
施設に入ることになり、
何度かは会いに行ったけど、
いつも寂しそうにしてたな。
川のせせらぎも桜の樹もない。
私は忙しくなって
徐々に足が遠のいて…。
あれから20年。
もうおばあちゃんはいない
だろうけど、約束は守ってるよ。
「あんたのこの手、
この手を大事にしなさいよ」
って、私の手を
さすりながら言った。
ありがとう。
本当に大切にしてるよ、
この手。
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