スロトレと太極拳

身体運動学、筋生理学を専門としている東大大学院の石井直方教授が、太極拳について語った<jane 2010年夏号>の記事を紹介します。

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〜スロトレとの関連を石井直方教授に聞く〜

「正直、太極拳は運動生理学的な研究がしにくい分野です」と石井先生。

カラダの動きだけでなく“気”や思想的なものが重視されるため、たとえば「気の流れ」を血液やリンパの流れなど、科学的な言葉に単純に置き換えることが難しいのだという。

「ただ、400年以上の歴史があるということ自体、効果があることを実証しています。たとえばこんな研究データも」

見せてくれたのが、太極拳の動きの最中にとった筋電図（筋肉の収縮活動を記録したもの）。

太極拳の動きの最中、太ももの筋肉やすねの筋肉が細かい活動をずっと続けている。

「これは、チカラを抜かずにゆっくりと行う筋トレ、スロトレとすごく共通した動き。インパクトが低くてカラダへの負担が少ない一方で、筋肉がずっと活動しているというのが共通点。とくに下半身の筋肉強化に効果が期待できます」

腰を落として軸をまっすぐに保つためには、背骨と骨盤をつなぐ大腰筋が働いていることも考えられる。

とくに片足で立つ動作は、大腰筋が稼動しないととてもできない動きなのだとか。

「そういう意味では、太極拳は骨盤のコンディショニングそのものといっていいでしょう。また、おヘソの奥の丹田に相当する場所には、まさに大腰筋の根元があります。ここを意識してカラダを動かすことで、しっかりしたカラダの軸ができると考えられますね」

太極拳の歴史の長さには、やはり確かな理由がありました。

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セイウン
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（広畑・飾西・太子・英賀保）

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